2024年7月23日火曜日

団地で水周りはどの程度位置を動かせるか

団地に詳しい建築家、団地不動産の吉永です。

水周りの位置を変えたい、ということもよくあるご要望です。位置を変えやすいのはどのような場合か、変えられるとするとどの程度動かせるかについてお話ししましょう。

竹の台団地の白い家

竹の台団地の白い家 改装前


竹の台団地の白い家 改装後


浴室の位置は動かせないと考えた方がよいでしょう。いまの位置から動かしたり広げるために壁を撤去することはできません。防水や構造を痛めかねないからですが、かといってユニットバスを別の位置に設ければよいのではということにもなりません。浴室の排水を賄えるだけの太い排水管が必要ですが、キッチンや洗面のに通っている既存配管では太さが十分ではないからです。



トイレは比較的自由に動かせますが、現在の位置から遠くなれば遠くなるほどトイレの床が高くなりバリアフリー的には問題があります。加えて配管が長くなるため流れが悪くなります。よって何メートルも動かすことはお勧めできません。


それに比べると洗面は自由に動かせます。コロナ禍後増えてきた玄関に手洗いを置くことも間取りによっては可能です。


キッチンについては次回お話しします。

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2024年7月8日月曜日

水周りを改装しやすい団地の選び方

団地に詳しい建築家、団地不動産の吉永です。

団地を買ってリノベーションをする場合、自分が思い描いているかたちに改装できる団地を購入したいところです。今回は水周りを改装しやすいのはどのような団地かについてお話しします。


3点給湯にしたいというご要望がよくありますが、購入したお部屋によって簡単にできる/できるけど難しい/全くできないが変わります。「簡単にできる」ケースの一つ目はすでに3点給湯になっている場合です。すでに給湯に必要な管や壁を通すための穴が開いているのでそれを利用すればいいわけです。


難しいのは3点給湯でないケースで浴室にしか給湯器が置けない場合です。浴室の壁はコンクリートでできているので他の部屋にお湯を送る管が通せず不可能となります。団地の管理組合によっては新たに管を通すための穴を開けるのがOKのところもあり、そこでは3点給湯にできます。OKかどうかは団地の修繕規則を調べる必要があります。個人で管理組合に行っても教えてくれるところもありますが、一般的には仲介してくれる不動産屋にお願いすると調べてきてくれます。


ここで気をつけないといけないのは同じ団地の別の部屋で3点給湯にしているからうちでもできるとは限らないということです。浴室の壁に穴をあけることが禁止されているのに管理組合に黙って開けているケースもあるのです。これが発覚すると復旧をしないといけないなど大きなペナルティを食らうことになりますので注意してください。

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2024年7月4日木曜日

『暮らしと住まいの学び舎 in 無印良品』出演のお知らせ

団地に詳しい建築家、団地不動産の吉永です。
暮らしと住まいの学び舎 in 無印良品 に出演します。


リノベーション・オブ・ザ・イヤー2023を受賞するなど団地リノベ界では団地不動産もリスペクトしているフロッグハウスさんからお声がけいただきゲスト出演します。

「これからの団地リノベを問う」というテーマで団地リノベ会社と団地専門の不動産屋それぞれの立場からお役立ち情報をお話しする予定です。わたしはこのブログに書き連ねている団地リノベを成功させるためのコツをお話しします。

団地リノベを成功させたい方にとってはためになるお話になること間違いなしです。ぜひお越しください。

日時は7月27日14時半から、
会場は無印良品のグランフロント大阪店、
参加は予約制です。
フロッグハウスさんの回にご予約ください(団地不動産の名前では出ていません)。
予約方法など詳細はこちら↓





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2024年7月2日火曜日

リノベーションをローコストでできる団地の選び方

団地に詳しい建築家、団地不動産の吉永です。

団地を買ってリノベーションをする場合、自分が思い描いているかたちに改装できる団地を購入したいところです。どのような団地なら思い通りにできるのかケースごとに数回に分けてお話ししましょう。まずは工事費を抑えたい、ローコストにしたい場合です。


リノベーションでローコストを実現するコツはなるべく解体する箇所を少なくして改装することです。フルリノベーションの場合ですと解体で数十万かかります。工事費全体の割合からすると少なくありません。消えるものにお金を払うより設備や仕上げのグレードを上げたいところです。


ではどのような団地が解体費用を抑えられるのでしょう。1990年代以降にリフォームされてそのままの団地は抑えられる可能性が高いです。このころから設備配管が鉄管から樹脂製のものに変わっていきます。鉄管ですと錆の進行により水の流れ、水質、水漏れなどに問題が発生しますので取り替える必要があります。そのためには配管を変えることはもちろん、工事をするために配管が通っている範囲の床、壁、天井を解体しなければなりません。


すでに取替済みであれば配管を取り替える必要がないので解体費用は抑えられます。便器など設備機器もひきつづき使えるものもあるでしょう。キッチンの場合はクリーニングをして扉を好みのものに取り換えると撤去費用が抑えられます。



このころから壁に断熱材をいれることが一般的になっています。断熱材を入れるために壁を解体する費用と断熱材の費用がダブルで浮かせます。


また、購入前に間取りのイメージをはっきり持っておくのも効果があります。イメージに近い間取りを選べば余計に壁の解体をする箇所が減り費用が抑えられます。

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2024年6月24日月曜日

リノベーション済み物件とリノベーション前物件、買うならどっち?

団地に詳しい建築家、団地不動産の吉永です。

リノベーションした団地に住みたいとき、すでにリノベーション済みの団地を買う場合と買ってからリノベーションする場合の二種類があります。どちらがよいのでしょう。それぞれのメリットデメリットを見てみましょう。


リノベーション済みのメリットは買ってすぐに住めるということです。また、完成したものを見て決められる安心感があります。設計の時に悩んだり、思っていたのと違うというようなことが起こらないのはメリットです。


一方デメリットはなんでしょう。一番大きいのは見えないところがどうなっているかわからないということです。きちんと施工されているだろうか古い配管がそのままになっていないだろうか、断熱材が入っているだろうか、コンクリートに大きなひび割れなど欠陥はないだろうかなど。


過去に見てきたリノベーション済み物件では浴室の天井裏を覗くと上の階の浴槽が見えるくらいの穴が開いていることもありました。見えないところがきちんとしているかどうかは素人はもちろん、専門家でも開けてみなければわかりません。その点がリノベーション済み物件のデメリットです。


買ってからリノベーションであれば、工事中にチェックすることができます。打ち合わせや工事に時間はかかりますが質を担保するためと考えれば意義がある時間のかけ方になります。自分でチェックは難しいと思うなら専門家に依頼するのもよいでしょう。

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