2026年6月25日木曜日

マンションが狭い時代だからこそ団地の間取りを見直す|連載:暗く考えてない?実は明るい団地の暮らし

団地とリノベーションに詳しい建築家・不動産業の吉永です。

住生活基本法という法律があります。これは「豊かな住生活の実現に向けた国の基本理念」を定めたもので、5年ごとに「住生活基本計画」を見直し、住宅政策の指針としています。

2026年の改正では、「健康で文化的な生活を送るために必要な最低限の広さ」を示す最低居住面積水準(2人以上の世帯は「10㎡×人数+10㎡」)が廃止されました。

背景には、少人数世帯の増加や建築費の高騰があるのでしょう。同じ予算で確保できる住戸面積が小さくなっている現在、国が定めてきた基準と実際に供給されている住宅との間にズレが生じてきたのかもしれません。

実際、最近の分譲マンションでは70㎡を下回る住戸も珍しくありません。この広さは、広めの分譲団地とほぼ同程度です。


団地の間取りは、現代のマンションとは少し考え方が異なります。すべての居室に窓を設け、風通しや採光を確保することが基本となっています。そのため、限られた面積の中でも開放感があり、実際の広さ以上にゆったりと感じられることがあります。

また、団地を選ぶ方の中には、玄関から長い廊下が伸び、その両側に部屋が並ぶ近年のマンションの間取りが好みではないという方もいます。むしろ、玄関を中心に各部屋へアクセスできる団地のシンプルな構成の方が暮らしやすいという声も聞かれます。


市場に出回る住宅がコンパクト化していく中で、団地の間取りは決して時代遅れではありません。むしろ、限られた面積を有効に使う工夫や、風通し・採光を重視した設計は、改めて評価される可能性があります。

住宅の広さがますます貴重になる時代だからこそ、団地という選択肢を見直してみてもよいのではないでしょうか。

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2026年6月16日火曜日

なぜ私は団地に惹かれるのか|「団地への招待」上映会と「昭和レトロキッチン見学会」イベントレポート

団地とリノベーションに詳しい建築家・不動産業の吉永です。

さる6月14日、「団地への招待上映会」と「昭和レトロキッチン見学会」のトークショーに出演してきました。


今回のテーマは、日本住宅公団が生み出した住まいのイノベーションを振り返りながら、その価値を未来へどうつないでいくかというものでした。

上映された映画『団地への招待』には、団地での新しい暮らしに希望を抱く若い夫婦の姿が描かれています。当時の団地は、単なる集合住宅ではなく、多くの人にとって憧れの住まいでした。


一方で、日本住宅公団には戦後の深刻な住宅不足を解消するという大きな使命がありました。短期間で大量の住宅を供給しなければならないという厳しい条件の中で、全国各地に団地を建設していきます。

しかし、公団が行ったのは住宅を大量に供給することだけではありませんでした。例えば、当時としては先進的だったステンレス製の流し台を採用するなど、新しい暮らし方や住まい方も同時に提案していました。


社会課題を解決しながら、その先にある未来の暮らしまで示していたのです。そう考えると、団地には今でも学ぶべきことが数多く残されています。目の前の課題を解決するだけでなく、その先の暮らしを提案する。団地はそんな理想を形にした住まいだったのではないでしょうか。

だから私は団地に惹かれるのです。

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2026年6月10日水曜日

団地訪問記|海と緑に囲まれた明石舞子団地を歩く

団地とリノベーションに詳しい建築家・不動産業の吉永です。

5月9日に開催された「神戸建築祭」のプログラムの一つ、『UR明石舞子団地ツアー』の講師を務めてまいりました。当日は快晴。風も心地よく、団地を歩くには絶好の一日でした。


団地は、一見すると同じような建物が並んでいるだけに見えるかもしれません。しかし、見どころや設計の意図が分かると、建物の配置や緑地のつくり方、住棟からの眺めなど、さまざまな工夫が凝らされていることに気付きます。参加者の皆さんも、これから団地を見る目が少し変わったのではないでしょうか。




明石舞子団地は、UR都市機構の賃貸住宅だけでなく、兵庫県営住宅や兵庫県住宅供給公社の住宅、戸建住宅などが集まる大規模なニュータウンです。

近年は神戸市中心部の住宅価格や家賃が上昇しており、住まい探しが難しくなっています。そのような中で、明石舞子団地は比較的手の届きやすい価格帯で住まいを確保できるエリアとして注目されています。

また、数年前にはニュータウンの中心部にある商業施設が再整備され、日常生活に必要なものが一通り揃う、利便性の高い環境となりました。



団地内には豊かな緑が広がっていますが、このエリアの魅力はそれだけではありません。少し足を延ばせば、明石海峡を望む海や砂浜にたどり着くことができます。都市部ではなかなか得られない、おおらかな自然環境もこのまちの大きな魅力です。



利便性があり、比較的リーズナブルな家賃や住宅価格で住まいを確保できる。そして海や緑といった豊かな自然も身近にある。

明石舞子団地は、そんなバランスの良さを持った団地だと改めて感じました。

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2026年6月3日水曜日

初期公団キッチンを囲んで団地の秘密を語ります

団地とリノベーションに詳しい建築家/不動産屋の吉永です。

6月14日13時より、UR都市機構主催のイベントで団地についてお話しすることになりました。 会場は、かつてのUR西日本支社の建物をリノベーションしたコミュニティスペースほとりで』です。



ここにかつて白鷺団地の住戸に設置されていた初期公団のキッチンが展示されることになりました。URは何年かおきに設備を入れ替えるため、建設当時のキッチンが壊されず丸まま残っているのはかなりレア。このレアな一台のキッチンを話題の中心にして、トークゲストたちで対談を行います。


URでは設備を定期的に更新しているため、建設当時のキッチンが現物のまま残されている例は非常に珍しく、貴重な資料と言えるでしょう。 当日は、このキッチンを囲みながら、団地の歴史や暮らしについてゲストの皆さんと対談を行います。普段何気なく見ているキッチンにも、その時代の暮らし方や住まいに対する考え方が反映されています。そんな視点から団地を読み解いてみたいと思います。 また、団地に入居する人へ向けて制作された映画『団地への招待』も上映される予定です。当時の暮らしのルールやマナーが紹介されていますが、現代の感覚から見ると驚くような場面もあり、団地の歴史を知るうえで大変興味深い映像です。 団地の成り立ちや暮らしの変化にご興味のある方は、ぜひお越しください。


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2026年5月26日火曜日

住まいだけではない、UR団地の子育て支援|連載:UR賃貸が選ばれる理由

団地とリノベーションに詳しい建築家/不動産屋の吉永です。

URの団地は「子育てしやすい」と言われることがあります。
緑が多く、車と歩行者の動線がなるべく交わらないよう計画されている団地は、子どもをのびのび遊ばせやすい住環境として評価されています。

富田団地

一方で、URではハード面だけでなく、ソフト面から子育てを支える取り組みも行われていることをご存じでしょうか。その一つが、「こどもつながるサポーター」という取り組みです。一部の団地では、親子で楽しめるイベントなどを通じて、親子同士だけでなく、地域全体のつながりを育む活動が行われています。

新しく団地に引っ越してきたばかりで周囲に知り合いがいない中、子育てに不安を感じる方も少なくないと思います。そうした親子にとって、地域との接点をつくるこのような取り組みは、とても心強い存在ではないでしょうか。

東豊中第2住宅

かつての団地では、こうした役割を自治会など地域コミュニティが担っていました。しかし、団地全体の高齢化が進む中で、従来と同じ形で支え続けることが難しくなってきているようです。そのような状況の中で、団地を管理するURが、単に住宅を供給するだけでなく、コミュニティ形成にも関わろうとしている点は興味深いところです。

住まいだけでなく、人とのつながりも含めて暮らしを支えようとしている。こうした点も、UR賃貸が選ばれる理由の一つなのかもしれません。

参考記事|カリグラシマガジン『うちまちだんち』より


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