施主が現場に行くタイミングとして、壁紙やフローリングなどの仕上げを最終決定するとき、というお話を以前にしました。
では、実際に仕上げを現場で決める際には、どんな点に気をつければよいのでしょうか。いろいろありますが、今回は「色を決めるときのコツ」をご紹介します。
壁紙や塗装などの仕上げ材は、面積が大きくなるほど色や質感の特徴がはっきりと出てきます。
たとえば、薄い色はより薄く、濃い色はより濃く、赤みのある色はより赤く見えます。模様のあるものは、模様の存在感が強調されます。
そのため、できるだけ大きなサンプルで確認することが大切です。壁紙のカタログでは5cm角ほどの小さな見本が一般的ですが、メーカーに依頼すれば30cm角ほどのサンプルを用意してもらえます。
次に、サンプルを現場に持ち込んで実際の環境で確認することが重要です。室内の明るさや光源の種類(自然光・電球色・昼白色など)によって、色の見え方は大きく変わります。照明がまだ取り付けられていない段階では、昼間の自然光のもとで確認するのが理想的です。
また、サンプルを置く位置にも注意しましょう。床材は床の位置に、壁材は壁の位置にあてて確認します。床材を壁に立てかけたり、壁紙を床に置いたりすると、光の当たり方や目線の角度が異なり、実際に仕上がったときの印象とずれてしまうことがあります。
仕上げ材の選定は「実物大」「実際の明るさ」「実際の位置」で確認する——この三つを意識すると、完成後のイメージがぐっと現実に近づきます。
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