こんにちは、団地家の吉永です。
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『無印良品の家』での連載「団地再生物語」の7月31日の記事「団地の部屋をシェアして住む」に意見投稿をしました。
記事は新千里西町団地の4DK住戸をシェアハウスにリノベーションするというものです。
間取り的にはいいアイデアと思いつつも、新千里西町団地という具体的な場所を設定した場合に“それだけでは足りない”と思うことがあったので投稿をしました。
下記に転載をしておきます。どうぞご覧ください。
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団地の部屋をシェアして住むについての意見です。
昨年、BRUTUSの取材で「りえんと多摩平」など団地をシェアハウスにリノべーションした事例をいくつか見に行きました。この取材でわかったことはもともと個室に別れている団地は他の建物よりも間取り的にシェアハウスに向いていることでした。
これは新千里西町団地についても同じです。さらに普通の住まいとしては使いづらい間取りが提案の形で行けば、まさにシェアハウス向けという点においても積極的に考えてよいリノベーションと思われます。
文中「今の団地(UR都市機構)のルールでは実はこうしたシェアして住む、というのはまだできそうにはありません。」とありましたが現行のハウスシェアリング制度を活用すれば実現可能でしょう。
一方、間取り的にはシェアハウスにフィットするとしても、事業面でこの新千里西町団地がフィットするかというと疑問が残ります。新千里西町団地は他の団地に比べると駅から遠く外回りの空間も緑に乏しく魅力に欠けます。人は間取りだけに住むのではありません。
そしてシェアハウスは若者を呼ぶ魔法のつえでは決してありません。ここにシェアハウスがあるにふさわしい環境と住みたくなる魅力を間取り以外の面で整える必要があるでしょう。
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参考)新千里西町団地