*
昨日の続き
ひととおり食べ終わると津端さんの講義が始まります。
まずはキッチンガーデンを中心とした現在の暮らし方について。
そしてメンバーが一番聞きたかった津端さんが関わってきた団地のお話。
津端さんが団地設計でこだわっていたのは元の地形をなるべく残し、活かすこと
(カスバ、イタリアのまちをイメージしていたそうです)。
しかしながら当時の公団の宅地係は津端さんの意図はおかまいなしに
平らに整地してしまうのが常だったそうで、
代表作の多摩平団地では地形を残すように言っていたにも
かかわず平らにされてしまったのだとか。
これを教訓に前原団地では平らにした敷地を元の地形に造成しなおさせ、
高根台団地でようやく地形をそのまま残した団地計画が実現できたそうです。
話は赤羽台団地の建て替えにまで及びました。
下の写真は赤羽台団地の建て替え計画津端案(丸い平面の棟)。
なるべく緑地が取れるように中層棟を超高層タワーに建て替えるというものでした。
四角く囲むように建てている棟は現在すでに建て替えられた棟で
これには一言「建築家はこんな設計をしてはいけない」。
津端さんが繰り返し批判していたのは
まっ平らな土地に南北に並べて団地を建てること。
これは一般に思われている団地とはまったく逆のイメージです。
たしかに初期の団地にはバラエティーに富む並べ方が見られます。
そして現在のUR団地にも少なからず受け継げられています。
津端イズムはまだ団地の中に息づいているのです。
※このブログを見て津端さんの連絡先を教えて欲しいというご連絡を度々いただきますが、
当方一切お答えいたしかねますのでご了承ください。