「古い団地は、大きな地震が来たら壊れてしまうのではないか」
そんな不安の声を耳にすることがあります。では、実際のところはどうなのでしょうか。
ここでは、UR賃貸住宅の公式ホームページで公表されている情報をもとに、団地の耐震性について、できるだけわかりやすく整理してみます。
大きな地震のとき、URの団地はどうだったのか
URでは、阪神・淡路大震災や東日本大震災の際の被害状況について、次のように公表しています。
平成7年1月に発生した阪神・淡路大震災では最大で震度7の大規模地震を経験しましたが、UR賃貸住宅では、住宅階に大きな被害を受けた事例はなく、ごく一部の棟でピロティ階の柱の破壊が見られたものの、人命に係る被害はありませんでした。また、平成23年3月に東日本大震災が発生しましたが、住宅階及びピロティ階ともに大きな被害を受けた事例はありませんでした。
なぜ、古い団地でも大丈夫だったのか
中には、現在の耐震基準より前の「旧耐震基準」で建てられた団地もあります。それでも大きな被害が出なかった理由について、URでは次のように説明しています。

今も続けられている耐震診断と対策
旧耐震基準で建設したUR賃貸住宅においても、大震災時にも大きな被害を受けなかったのは、旧耐震基準上必要とされる耐震性を確保していることに加えて、1戸1戸の住宅の境に耐震上有効な壁が規則的に配置されていることによって、安全上の余力があったためと考えられています。※以上元ページはこちら→
今も続けられている耐震診断と対策
URでは、さらに安全性を高めるため、耐震診断を継続して行っています。令和7年3月時点で、その実施率は約99%に達しています。
耐震診断の結果は、団地ごと・棟ごとにUR賃貸住宅のホームページで公表されています。
こちら→住棟毎の耐震診断結果について
耐震性に不安がある場合は、診断結果で
「Ⅳ:所要の耐震性を満たしており、耐震改修は不要」
と判定された建物であれば、安心して住むことができます。
また、補強が必要と判断された建物については、建て替えや耐震補強工事が順次進められており、令和7年3月末時点での耐震化率は約96%となっています。
▽耐震補強の例(東豊中第2団地)
「古い団地=危険」ではない
こうした情報を見ると、UR賃貸住宅は、築年数が古い団地であっても、耐震性についてきちんと確認・対策が行われており、今後も安全性が高められていくことがわかります。
これほど詳しく耐震診断の結果を公開している例は、民間の賃貸住宅や分譲マンションでは、あまり多くありません。
耐震性が心配だからという理由だけで、団地を住まいの選択肢から外してしまうのは、実はもったいないことなのです。
■お問い合わせ先
建築家不動産 団地不動産担当 吉永健一
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