2013年2月28日木曜日

映画『みなさん、さようなら』を観てきました

こんにちは、団地不動産の吉永です。

すでに団地映画の傑作と評判の高い、映画『みなさん、さようなら』を観てきました。


“団地から一歩も外に出ない”少年の物語なので
密室劇的なものをイメージしていたのですが
実際観てみると団地ロードムービーといった印象。

主人公は子供のころから生活習慣から
何から何まで変わらないのに対して
団地や周りの人たちは時代に合わせて
どんどんどんどん変わっていく。
主人公と団地の間の成長の速度差がそう感じさせるのかなと。


また、団地愛好家の目から見ると
公営団地と公団団地が同じ団地として
写されていることに違和感を感じつつも(笑)
団地が持っているシーンを場面場面ごとに
うまくあてがっているのには感心しました。

特に主人公が住んでいる棟のチョイスが素晴らしい。
隣の女の子と並んでベランダでおしゃべりしているシーンが
何度も出てくるのですが、飛び出るように増築された
ベランダは二人が密会を重ねるにはピッタリの場所。
そう、映画『タイタニック』での船の舳先のように。

団地というとどこも同じで均質なイメージがありますが
それでも場所場所に雰囲気や使われ方が異なります。
そこを映画作りに活かしているなと。

ストーリーとあわせてそんなところにも注目すると
より面白く見ることができるでしょう。

『みなさん、さようなら』はテアトル梅田他で公開中です。