2025年5月14日水曜日

団地リノベーション設計の進め方|壁材天井材の決め方塗装、左官編

団地に詳しい建築家、団地不動産の吉永です。

前回ビニールクロスについてお話ししました。ビニールクロスは安価でバリエーションも豊富ですが、石油由来であることや特有の臭い、カビの問題などから敬遠される方も少なくありません。その代わりの仕上げとして選ばれるのが、塗装や左官です。


左官はプロに依頼すると手間がかかるぶんコストも高くなります。一方、DIYで行えば材料費だけで済むため比較的安価に抑えられますが、素人がきれいに塗るのは難しく、かなりの時間を要します。実際に、DIYで始めたものの挫折して、最終的にプロに依頼したという例もあります。


左官に期待されるのは、独特の質感や、消臭・調湿といった機能性でしょう。実は塗装の中にも、こうした左官のメリットを取り入れた製品があります。たとえば、ホタテの貝殻を原料とする「チャフウォール」は、消臭・調湿効果があり、団地で気になりがちな結露を抑える効果も期待できます。仕上がりは細かな砂目状の凹凸があり、艶のないしっとりとした質感になります。左官が難しい場合の代替手段としておすすめです。



消臭・調湿性や左官調の仕上がりにこだわらない場合は、「エマルジョン塗装」もおすすめです。水性塗料のため、施工後の臭いが少なく、平滑でマットな質感に仕上がります。


いずれの塗装も水性で安全性が高く、DIYにも適しています。ビニールクロスは避けたいけれど予算は抑えたい、という場合に検討する価値のある選択肢です。


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