今回は、団地のリノベーションにおけるキッチンの改装、その中でも「今の位置からどれくらい動かせるか」についてお話しします。
キッチンは、配管の条件が整えば基本的には好きな場所に動かすことができます。でも、実際には“どこまでなら無理なく動かせるか”がポイントになります。
改装前-レイアウトは壁付のI型 |
![]() |
改装後-レイアウトはペニンシュラ型+二型 |
シンクについては、排水がきちんと流れるための傾き(勾配)が取れる範囲であれば移動が可能です。だいたい2〜3メートルくらいが目安でしょうか。そのために床を少し上げたり、壁を作ったりする必要が出てくることもあります。そうすると、段差があってちょっと使いにくくなったりする可能性もあります。
![]() |
ベランダへのサッシ手前に配管を通すための段差がある |
換気扇の位置をどこまで動かせるかも重要なポイントです。壁付きの既存の換気扇は、コンロの上に設置されていることが多いです。この位置から大きく動かそうとすると、換気扇からコンロまでダクトと呼ばれる換気用のパイプを通さなければなりません。頭の高さくらいに直径20センチ程度のパイプが通るため、位置によっては普段の生活で不便を感じることがあります。
![]() |
コンロ位置の変更に伴いダクトを通した例 |
使いやすいようにキッチンの位置を変えたために使いづらくなっては本末転倒ですので注意が必要です。