2008年8月26日火曜日

「200年住宅」と団地



▲松村秀一氏の講演会

松村秀一東大教授の講演会を聴きに行ってきました。
この方、アカデミズムでは団地再生の第一人者で
こりゃあ話を聴きにいかねばと参加した次第。

お題は政府が進めている「200年住宅」について。
技術、税制、金融と住宅流通システムの整備によって
木造では築30年といわれている建物寿命を延ばそうというこの施策。
これについては前々から趣旨としては理解できるのだけど、
“200年とは言わないまでもまだまだ現役の立派な建物が数十年でなぜ壊されるか”
逆に
“現存する築200年の建物はなぜ建ち続けているのか”を冷静に見つめると、
この内容で「200年」もつのか?と疑問に思っていました。

松村教授も全く同じ考えで、
“以後200年間、建築に関する法律の改正や技術革新を凍結できなければ不可能”
という皮肉っぽい意見も。

“現在の法律に適合しないから”、
“性能のいい建材や設備に変えたいから”ということで
本来の寿命よりみじかい時間で死亡宣告される建物は実に多いのです。
建物寿命を延ばすための法改正や技術革新が
今度は既存の建物の寿命を短くしているというわけです。

さらに“新築を長寿命で作るより、いま建っている建物の寿命
を延ばす方ことを考えた方がよい”、またそのためには
“建築のハード面やお金のことだけではなく、
将来のライフスタイルにふさわしいように既存の建物を運営していくことが必要”とのこと。

そのひとつが『団地』というわけで、
その再生には建築業界以外の力も必要ともお話されていました。
あぁ、まさにいま僕らがプロジェクトDでやっていることじゃない!
と、いうわけで講演後チラッとお話してきました。
「団地マニアっているらしいね」とか
「団地に住みたいって人が増えてるんだってね」だって。
そうですよ!とダンパクの宣伝もしておきました。

余談)会場で“団地のヨシナガさんですよね”と初対面の方に声を掛けられました。
いやいや外で悪いことができなくなりましたな。